桜、月夜、愛おもい。



昼休みが終わるちょっと前に教室に戻った。

まだ授業開始まで時間があったから、ドアの所で咲菜と喋る。と


「咲菜ちゃん、奈津ちゃん」


後ろからこの世で一番聞きたくない声がした。



「奈津ちゃんってば酷いなー。僕は君に会いたくて昼休み中探し歩いていたのに☆」

「学校の外まで探しに行って戻って来なければよかったのに」


だいたい、☆←これは何よこれは。んなもん、私に向かってつけんな。


「愛の証さ☆」

「いいかげん離れてください。てゆうかさっきから人の心勝手によまないでください。読心術でもあるんですか静谷先輩」



私は振り返らずに、背中に張り付いている静谷翔梧(シズヤショウゴ)先輩に言った。