先輩と美樹ちゃんが帰ってから、私は自分の部屋に入った。 そして、ベッドに倒れ込むと、激しい睡魔と闘う。 このまま寝てしまうと、凛桜のことがすべて夢で終わってしまいそうで怖い。 出会って、今まで過ごしてきたこともすべて。 凛桜は本当に儚い存在で、気を抜けば消えてしまいそうな。そんな風に感じてしまう。 窓から見える淡い輝きを放つ月みたいに、ふっと、そこにいるのさえ気付かなくなってしまいそうだ。 濃紺の夜空に浮かぶそれは、他のどんな光達よりも強く輝いているのに。