桜、月夜、愛おもい。

それでも美樹ちゃんは嫌な顔はせず、私の返事を待つ。

それもとびっきりの笑顔で。


そんな顔されると、正直断れなくなる。

私はこの女の子の笑顔にめっぽう弱いのだ。それはもう、シスコンの静谷先輩をも越えると思う。

泣き顔ならまだどうにかなるけど、ここまで奇麗な笑顔を見せられると、何も出来なくなってしまうのだ。


それも美樹ちゃんにとっては計算の内だろうけど、それを分かっていても私はこの笑顔には絶対に勝てない。


今まで勝ったことは一度としてないし、これからもないだろう。

それくらい、彼女の笑顔は強烈だ。