桜、月夜、愛おもい。



「おねーちゃんっ」


美樹ちゃんが、ニコニコとしながら私に手招きする。

そばに行くと、大きな瞳に上目遣いで見つめられた。


「明日、一緒にお出かけして?」


可愛らしく首を傾げれば、出てきたのは唐突なお誘いの言葉。

私はキョトンとした顔を、無邪気に笑う目の前の少女に向けた。


「明日?」

「うんっ。明日ー」


一応、しっかり聞いてたんだからするまでもないけど、そうであってほしくないという願いを込めて一応確認をすれば、返ってきたのは輝く笑顔と悲しい答え。

しかも語尾をのばすというオマケ付き。


私は顔が引きつるのを隠せなかった。