――――・・・
「ん・・・」
ぼんやりとした頭が、ゆっくりと覚醒する。
それにつれ思い出す、あの鈍い音、あの痛み、舞う携帯・・・
・・・あれ、私死んだんじゃ・・・
目を開けるとそこは“闇”だった。
深く深く・・・天井がないであろう真っ暗闇。
夜空の深さに似ているが、そこに星や月の瞬きはまったく感じられない。
そのせいなのか、嫌な感じがする。
胸がざわめくような、嫌悪感。
「いつまでそこで転がっているの。」
そんな中、突然の声。
当然私の体は驚きで弾んだ。
がばっと起き上がり、きょろきょろと辺りを見回す。
・・・誰も・・・いない?
「下だよ」
私は再び声に驚く。
「・・・し、た・・・?」
恐る恐る顔を下に向けると、そこには私がいた。
私はまるで水面に映っているかのようだ。
ゆらゆらと波打つように揺れるが、結構はっきり映っている。
・・・今の、私が私に喋りかけたの・・・?
「死んだみたいね、私たち。」
わ、私が勝手に喋ってる・・・
なんなの、これ・・・?
わけ、わかんない

