「ねぇねぇ。
なんか湿子のいじめ飽きちゃったんだけど。そろそろ他の探さない?」






湿子とは、あの陰湿女のあだ名だ。


本名は夏子。

まったく似合わないから、私が湿子と命名してあげた。





「あ、いいねぇ。だいさんせぇー」






いじめに参加している一人が、手をあげながらタルそうに言う。




私と同じような気持ちを持った子たちは、私の周りに集まってくる。


そういう子たちは皆お洒落に貪欲で、明るく振る舞う子ばかり。



私と同じ。



“類は友を呼ぶ”

まさに。と言ったところだ。






私は下に転がってる湿子をちらっと見る。


心なしか今の会話に湿子がホッとしてるように見えた。



私はにやりと笑う。







「言っとくけど、あんたのことはこれからも構ってやるからねー。
感謝しなよ。し・つ・こちゃん。」





私は足で湿子の頭を踏みつけながら、高らかに笑う。



湿子はちいさく唸りながら、手入れのない黒い髪の毛を乱していた。









「死ねよ」









私のこの一言で、その場に「死ね」のコールが沸き起こる。





私は湿子の髪の毛を掴み、顔を持ち上げた。















「ほら、みんなあんたに死んでほしいってさ」












耳元で囁く、言葉