世間では「雇用悪化」だとか「就職難」だとかそんなネガティヴな言葉が蔓延していてアタシ達の将来に暗雲が立ち込めている。


 その上「“シューカツ”なんてなんとかなんとかなるだろう」なんてヘラヘラ笑っていた先輩が、卒業が近づくにつれ笑顔が消えていった事がより一層アタシ達を不安にさせていった。


 結局その先輩は小売業の企業から内定を貰ったそうだったが、「うちの大学から小売はないよね」なんて1学年上の先輩から影で笑われていた。


「私達はいい企業に就こうね。」


 なんて会話をよくするけれど、いい企業なんて正直分からない。