母親は言う。
「お父さんは私たちの幸せを願ってるからこそ、ああいう風に言うのよ」
「私はお父さんに着いていったからこそ幸せなのよ。」と笑顔でそう続けた。


 専業主婦の母親は、家庭に身を捧げ、父親を支えてきた。結婚して何年かはアタシもはっきり分からないが、20年近く自分の伴侶と娘に尽くしてきた事に対しては尊敬している。


 だが、時折見せる退屈そうな顔をみると、「これが親達の言う幸せなのか。」疑問に思えてしまう。


 そう思う一方で、アタシも母親のように生きていくのだろう、これが幸せなのかもしれない。


 「幸せ」の定義が分からないアタシはたまにそう思う事がある。