後輩や偶然会ったトモダチに「おつかれー。」と言いながら向かった先はトイレではなく喫煙所だった。


 大学生になってから、何もかもにストレスを感じ何気なくタバコを吸い始めて以来、疲れたり面倒な事が起きたりすると無性に恋しくなる。


 世間ではタバコ増税の結果禁煙ブームが巻き起こっているが、1週間で1箱を吸い切るペースで吸っているので、生活に支障はない。そのため禁煙するつもりも今のところない。


 禁煙なんてしてしまったら、アタシの不満を発散する機会がなくなってしまう。


 トモダチにはタバコを吸っていることを白状していないので、タバコを吸う数分間だけは1人になることができる。学校内で唯一アタシが素でいられる場所が喫煙所なのである。