玄関でまで行き、優真を見送る。
「じゃぁ、また明日。」
「うん。バイバイ」
優真があたしに背を向けて帰ろうとしたが、踵を返してまたあたしのほうを振り返った。
「…?」
「さっき、言い忘れた。」
「何を?」
「天野舞さん。」
「は、はい…?」
「俺と、付き合ってくれますか?」
それは、あたしにはもったいなさすぎる言葉で。
不覚にも、涙が目に浮かんでしまった。
「…はいっ…」
それでもようやく返事をしたときには、たまった涙が溢れ出した。
「…あー。また泣く。」
「ごめ…っ」
優真はもう一度、優しく抱きしめてくれた。
………あたしの涙が止まった頃、タイミングがいいのか悪いのか、日向君と零が来た。
