「え…」
あたしあの日、振られたよね…?
今になってようやく思い出す、あの日の出来事。
「なんで…?」
「ごめん、舞。ごめん…」
ごめんじゃわかんないよ…。
なんであの時あたしを振ったの??
ずっと聞きたかった。
でもそれをいざ聞くってなると怖くなる。
しばらく黙っていた優真が話し始める。
「実はあの時…舞を振ったときの前に…」
「布田が、お前のこと好きだって聞いたんだ。」
優真、そのこと知ってたんだ…。
「お前は、すぐ好きなヤツ変わるだろ??だから、オレはすぐ捨てられると思って…自分が傷つく前に舞を傷つけた。こんなことになるとは思わなくて…。ほんと、ごめん。」
あたしは、何も言わずに優真を強く抱きしめ返した。
…ほんとは、涙がさっきからずっと止まらないんだ。
これが嬉し泣きっていうのかな。
こんな奇跡みたいなこと、起こるとは思わなかった。
