でも、保健室で意識を取り戻してから思い出したんだ。
それは、あたしが意識を失う前にはっきり聞こえた言葉。
『誰かに言ったら、優真がどうなるかわかってるよね…?』
優真君に、なにか起こる。
絶対に優真君にこのことを言ってはならない。
絶対に――…
―――――――――…
あたしはすべて優真君に話した。
けど後から気付いたんだ。
優真君に、あたしが最後に言われた言葉を話してはいけなかったと。
優真君が危ない。
もし全部言っちゃったことがバレたら、何をされるのかわからない…。
「…。」
やっぱり言わなければ良かった、と、後悔しても遅い。
もうすでに言ってしまったのだから…。
「…で、他になんか言われなかったか?」
あたしはずっとしたを向いていたが、優真君の言葉に顔を上げた。
見上げた優真君は…ケロっとしていた。
「…え?」
「だから、他になんか言われたか?」
「言われてない、けど…」
「けど?」
こんなにケロっとしてるなんて…。
「優真君に言ったことで、優真君が危ないかもしれないんだよ!?」
優真君に何かあったら、あたしの責任だ…。
「大丈夫だろ。アイツらに何か出来るわけでもないし」
「…っでも!今時の高校生は危ないん……!?」
言っている途中で、暖かい何かに包み込まれた。