その後は舞の傷がひどいから部活には行かずに家まで送って行くことにした。
でも、舞の足の傷は物凄く痛そうだ…。
「ん。」
「えっ?」
舞はいまいち状況を理解してないらしく、固まっている。
「おんぶ。」
「…え」
そしてオレが言うとさらに固まる。
「だから、足痛くて歩けるような状態じゃないだろ?」
「え、…だ、いじょうぶ。」
そう言いながら少し歩いてみる舞。
「いっ…」
だが案の定、一歩踏み出しただけで痛むようだ。
舞はその場にしゃがんだ。
「…だから行ったじゃねぇか」
「…。」
「ほら。」
オレがしゃがんでも舞はうつむくばかりで動こうとしない。
「じゃぁ、おいてくけど?」
おんぶを嫌がる舞に、少しいじわる。
オレにおんぶされんのがそんなに嫌なのか。
少しショックだ。
「えっ…」
舞は視線を泳がせるばかり。
だからオレは保健室を出て行くフリをする。
「まっ待って…わかったから。」
舞は慌ててオレを呼び止めると、恥ずかしそうに言った。
あまりにも予想通りの反応をしたので、少しオレは笑みがこぼれた。
「お願いします…」
「了解」
