不思議と自然に立ったように…。 「なに?」 「耳…かして?」 「?…うん。」 耳に手を当てて慎治の方に向けた。 すると彼は小声で私にこう言った。 「45分くらいにホテルのロビーにきてな?」 彼はそれだけ言うと私に手を振って先に帰ってしまった。 私は不思議に思いながらも彼に手を振り返した。