君と見た空。

なんだろう?なぜかわからないけど、

気がついたら僕は走り出していた。

ところどころでクラスメイトや他のクラスの人たちに

名前を叫ばれた気がする。


でもそんなのが耳に入っても、

僕は立ち止まったりはしなかった。


なにか、胸騒ぎがするから――。


この前、茜を病院に迎えに行ったときのことが、

頭をよぎる。


耳打ちされていたときの、

茜の少し曇ったような顔が―――。


いやだ。いやだ。

そんなわけない。

絶対ありえないよね??



茜がまた、、、


ポツポツポツ。

冷たい、小さなしずくが、

頭の上に、体に落ちてくる。


僕は一人で、

雨に打たれながら走っていた―――。