「そうだ、那岐」

「んー?」

「これから毎日、受験勉強してもらうから」

「……ぅえ?」


にこにこ笑う悠里くんが鬼に見える。そそくさと要の背中に隠れるけど、すぐにつまみ出されてしまった。


「大丈夫。俺がしっかり教えてやるから、一緒にK大行こうな」


何が大丈夫なのか……って言うか、私がK大に行くのいつの間に決定したんだ。


「……要ーっ、」

「俺に縋るな、鬱陶しい」





これから約半年間、私の未来がどれだけ大変なものになるか、今からでも簡単に想像できて恐ろしい。


「いやだっ」

「だーめ。那岐がいない大学生活なんて想像できない」

「……ま、頑張れ」

「ついでだから要も一緒に教えてやるよ」

「はぁっ?」

「それならやってもいいかも」

「……これ以上、お前等の身勝手に俺を巻き込むなー!」










end.