あなたの腕まで、あと何センチ?


店長の初恋の話。

梨華先輩の失敗したコイバナ。

向坂くんの、失恋した話。

順番的に、私の番になった…どうしよう…恋愛経験のない私には、苦しいこの状況。

『私は、初めて…バレンタインにチョコをあげたのが、中学1年でした。』

隣にいた梨華先輩が、『でっ?でっ?』と酔っぱらったウキウキ顔で聞いてくる。

『それで…放課後…下駄箱に呼び出したんです…。誰もいなくなった時に、その相手が現れて…。』

店長が、『おっ!』って顔してる。

『好きですって、渡したんです。ほんと、一生分の勇気をぶつけた感じでした…ありったけの思いを…チョコにこめんたんです。』

私は、勇気をだす為に一口だけグレープフルーツサワーを飲む。

『そしたら…ごめんって…その彼、私のお姉ちゃんが好きだったんです。もう、姉妹なのに…って、私じゃないんだろうって、すごい泣きました…だから、高校も大学もはお姉ちゃんとは違うとこ通いました。』