あなたの腕まで、あと何センチ?


『それでさ、皆でご飯食べに行かない?私が、おごるからさ。パーッて騒ごうよっ!』

梨華先輩の言葉に、私のテンションもあがる。

『ほんとですか!?』

私のサンドイッチを作る手も受かれてる。

すると、店長からボソッと『君達、うるさい。』とつぶやかれた。

二人で、『すいませーん』と小さい声で謝った。

その時、バックルームのドアが開き、向坂くんが帰ってきた…その瞬間に、大きく鼓動が鳴る。

『向坂くん、おつかれ様。ありがとう。』

店長の声に、ニッコリ笑ってる。

どうしよう…どんな顔したらいい?なんて、声かけたら?かけられたら?さっきの緊張がよみがえってくる。

だからなのかサンドイッチの具材を、間違えた。卵とエビと照り焼きとレタスなのに、照り焼きをハムと間違えるぐらいの動揺。