「お前の行きたいところは、確か○○高校だったよな?」
「はい、そうです。」
あたしがそう答えると、
飯田先生の眉間に浅い皺がよった。
「…問題はそこなんだ。」
「もしかして…。」
このまま
呼ばれたとき、少し嫌な予感はしてた。
「あぁ、少し、厳しいかもしれない。」
“厳しい”
ここまで、頑張ってもだめなの…?
毎日、一生懸命やってるのに…。
知らないうちに、目に涙がたまっていた。
「でも、お前なら大丈夫だと信じてる。」
先生があたしの頭を撫でながら言った。
「厳しいと言ってもBランクだ。このままお前なりの勉強をしていけば合格できるよ。」
「はい。ありがとうございます」
未だに撫で続けてくれている先生の手は
撫でることに慣れていないのか、少しぎこちなかった。
だけど、あたしのことを思ってしてくれてるから
嬉しくて、笑顔でお礼を言った。
「お、おう。が、頑張れよ。」
先生は右手で口元を覆うと
そそくさと部屋を出て行った。
…変な先生。

