この空に、あなたに、届け






「よし、それじゃ今日はここまでにしとくか。」





少し眠くなったあたしを見て
侑耶がそう言った。







「うん……。」





あたしは机に突っ伏しながら
あることを考えていた。





「ねぇ…」




「ん?」




侑耶の優しい声だけが聞こえる。
それがなんだか心地いい気がした。



そして、つい




「どうして、そんなに教えるの上手なの?」



聞いてしまった。





「あぁー…そっか。推にはまだ言ってなかったな。」



しばらく、沈黙が続き
侑耶は意を決したように



「俺、高校の先生やってんだ。」





少し声を強くして言った。