「……ごめん。」
ただ謝ることしか出来ない俺…
だせぇな。
推の目をしっかりと見て謝ったあと
もう一度ゆっくりと推を抱きしめた。
…優しく。
俺の腕の中にいる時も推は泣いていた。
それが【嬉し涙】だったらいいなぁ、なんて。
俺らしくもないことを考えてた。
しばらくして、推を離すと――――…
「スー……スー……」
規則正しい寝息が聞こえて…
「寝てんじゃん。」
思わず笑ってしまった。
だって…
推を抱きながら真剣に考えたのに…
そんなこと、どうでもよくしてしまう
推の行動に、推の寝顔に。
完全ノックアウトらしい。

