この空に、あなたに、届け








「それ、読まないのか?」





ふと、洋が横目で手紙を見ながら言った。
…なんだ、覚えてるんだ。







「うん、寂しくなったら読めって言われてるからね。」






そう、寂しくなるまでは読まないって決めた。
だけど、洋はそれを壊すかのように






「大事なことが書いてあったらどうすんだよ。」





なんてせかそうとする。
そりゃ、中身はすごく気になる。
だけど…





「甘えてられないもん。」





この手紙に頼りたくない。
本当に駄目なときにしておきたい。





「ふーん…、推が元気になる内容だったらいいのにな。」





なんてぶつぶつ言っていた。