「はぁ…はぁ…っ。」
つ、着いた…。
急いで走ったので息が上がってしまった。
息を整えてインターホンを押す。
押す手が少しだけ震えた。
「はーい…。」
返事と共に洋が出てきた。
「あれ、推どうしたんだよ。」
まるで自分は何も知らないと言う顔をしている。
そ、そんな…
「洋…メール…いいこと…って。」
息を整えたつもりだったのに
胸がドキドキして上手く言葉が出ない。
「…そのことか。」
さっきまでとぼけ顔だった洋が真剣な顔つきになった。
きっと、何か知ってる…。
「とりあえず、中入れよ。」
「お邪魔、します。」
ここで、覚悟を決めなきゃ…。
あたしは一度だけ軽く頬を叩いた。
「…よし。」
これ以上、後悔はしたくない。

