「本当はすぐ引っ越す予定だった。





けど、そんな別れ方って嫌だろ?だから、交渉したんだ。








入試までは待って欲しいって。」







「どうして入試なんだよ。」






そうだよ、卒業まで待ってもらえばいいのに…。



要はそんなあたしの考えが聞こえたかのようにあたしを見て









「卒業まで居たら、別れが辛くなるだろ?」






そう言って要は苦笑した。
けど、その顔があまりにも悲しそうで、辛そうで…
気付いたら、泣いていた。








「あー、わりぃ。泣くなって。」






要があたしの顔をタオルでごしごしと拭く。