「推、洋ごめんな、俺だけ逃げちまって。」






「入試が怖かったのか?」







"逃げる"という単語に引っ掛かったのか
洋の眉間に皺がよる。






「俺、今日引っ越すんだ。」






「え……」






何もいえなかった。
だって、要は何にも…






「ずっと黙っててごめん。」







「いつからだ。」






要が謝った後、洋が低い声でそういった。
洋が怒ってる…。







「3学期始まってすぐ。」





要はなにも動じず淡々と話す。
そんな3学期から引越しの予定が入ってたってこと?