「侑耶ー。」
リビングの扉を開けて侑耶の姿を姿を探す。
けど、見つからなくて
「あれ…居ないのかな?」
呟きながらふとソファーに目をやると
見慣れた背中があった。
「なんだ、居るなら返事くらい――…」
侑耶に近付いて言葉を詰まらせた。
だってソファーにもたれて寝ていたから。
「…寝ちゃったのか。」
起こさないようにそっと侑耶の横に座る。
ソファーの上で足を抱え込みながら
気付かれないように顔を覗いてみた。
顔は幸せそうなものの…
頬には涙の跡があった。
…あのあと、泣いたのかな
涙の跡をすっとなぞってみると
「ん……」
侑耶が目を覚ました。

