「なんで急にお風呂?」




今思うと、どうして急にお風呂入るなんて言い出したのかわかんない。




すると侑耶はぴたっと歩みを止めて






「知りたい…?」




低い声をだした。
その声にぞくっとする。


侑耶はあたしの手をゆっくり放すと
少しずつ此方に近付いてきた。




「え、ちょ、ちょっと…」





侑耶が一歩近付くごとにあたしは一歩さがる。
こんなことを繰り返しているうちにいつの間にかあたしは壁と侑耶にはさまれてしまった。







「なぁ…知りたいんだろ?」





ぴた
耳元で壁に手を着く音が聞こえる。
それと同時に反対の耳元では侑耶の低い声。



はっきりと気遣いまで聞こえてしまう。






「教えてやるよ、これからゆっくり。」