この空に、あなたに、届け







「あたしは…なににも前向きで頑張る侑耶をいつも見てきた。
これがきっと侑耶の本当の姿なんだなって。



侑耶は偽りの姿で頂点に立ちたいの?親にいつまでも負けたままでいいの?
男なら、自分らしく堂々と、胸張って立ちなさいよ!!」




目にたくさんの涙を浮かべてあたしは訴えた。
涙で侑耶の姿は見えない。けど
確かにそこにいるから




「そう…だな。俺、なに弱音吐いてんだろ。」




そういいながらあたしの目をごしごしと擦った。




「分ったから、泣くな。俺、推の泣き顔好きじゃねえから。」



うん。とあたしが何度も頷くと
よしよしと頭を撫でてくれた。






「ほら…おいで。」




拭いてもらった目を開けると目の前の侑耶が腕を広げていた。
あたしは侑耶の胸の中に飛び込んだ。




「侑耶…ゆうやぁー…」




侑耶の温もりがすぐ近くにあって嬉しくて
止まったはずの涙がまた出てきた。




侑耶は相変わらずあたしの頭をよしよしと撫でてくれている。





「泣き虫だなー、俺がせっかく拭いてやったのに。」




侑耶はそんなあたしを見て軽く笑った。