「さっきも見たろ?手紙。
親父はなんとしてでも俺を会社の頂点に居座らせたいらしい。
もちろん、俺のためじゃなく世の中、自分のためだ。
俺も、必死で抵抗したさ。出来ること全部。
でも親父の前じゃただのくすぐりにしか過ぎなかった。
もう、無理なのかな。」
あたしは、気づいたら侑耶の頬を叩いていた。
ぱんっと短い音がリビングに響く。
初めて侑耶の弱音を聞いた瞬間だった。
「そんな…そんな弱気な侑耶は大っ嫌いだよ…!!」
「推…。」
侑耶は驚いた目であたしを見てる。
あたしだってよくわかんない。
「侑耶は今までなにを目標に頑張ってきたの?教師になってその怒った先生にぎゃふんと言わせるためでしょ?
なのに、もう無理なのかなって諦めるなんて、そんなのおかしいよ!!」
自分でも訳が分らないことを口走ってる。
そんなことは分ってる。だけど、
今伝えなきゃ…!

