「はいはい。」




適当に返事をして俺は歩き出した。





「もー、本当に分ってるの?」




推はふてくされながらも俺の後をしっかりついてくる


ほんと、こいつには狂わされる。
なにもかも、どうでも良くなる




「そーいえば、さっきどこに行ってたの?」



推が不意に疑問を此方にぶつけた
…ちゃっかり覚えてんのな




「あー…気にすんな。」




適当に誤魔化そうかと思ったが言葉が詰まって出てこなかった。


俺は髪を乱暴に掻き歩くスピードを速めた




「あ!待ってよー」




頼むから、これ以上近付かないでくれ
これ以上、好きにさせないでくれ…



「……っ!!」




後ろから走ってきた推が俺の服の裾を少し掴んだ
突然のことに驚いて止まってしまった。


俺はこんなこと1つでドキッとしてしまう。





「早く帰ろう♪」




そんなこともお構いなしに推は俺の手を掴み歩き出した。





そうだな。
俺は小さく呟き推に引っ張られて家に帰った



今は、今だけは…
この幸せを噛み締めていたい。



==========
SIDE:YUYA END
==========