この空に、あなたに、届け








「あのさ、俺…」





そう言って要は暫く黙ってしまった
要を見てみると手を強く握り締めて
俯いている。





「要…?」




あまりにも黙っているので
不安になって顔を覗きこんだ。





すると





「え?!あ、わりぃ。」




一瞬だけ驚いた顔をしてすぐに笑顔を作った






「俺推のことすっげー大事だからさ、」




そこまで言うとベンチから勢いよく立ち上がり






「お前が悲しむ顔なんて見たくねぇや。」





あたしの頭をくしゃくしゃと撫でた。





見上げた要の顔は
どこか辛そうで…
でも、幸せそうだった。






「要、どうしたの…?」