「あいつ、ここんとこずっと放課後用事があったり土日も付き合い悪いんだよ。」
要は深い溜め息を吐きながら頭を掻いた。
「どうしてだかわかんねぇけどさ…」
洋…なにがあったんだろう。
あたしも、気づいてた。
笑った顔も、なんとなく元気がなくて
心配して話し聞いても
『な、なんでもねえよ!!大丈夫だからさ。』
なんて、誤魔化されちゃって。
テスト中はぶつぶつなんか呟いてるし…。
「俺、この前たまたま見ちゃったんだけどさ…」
要がそう言って、少し口ごもった。
「何を、見たの…?」
「その…さ、洋が女子と並んで歩いてたんだよ。」
へぇー…洋が女の子と…
彼女かな…?
「彼女じゃないの?」
「彼女だったら、まっさきに俺達に言ってくれるだろ?」
…確かに。
中1のとき、洋に彼女ができて。
一番にあたし達に自慢してきたっけ。

