-3日前-

「そういえばさ、大智って美憂の親に挨拶行ったのか?」

槙の言葉に、あたしと大ちゃんはお互い見合わせた。

「来て、ないよね。」

「あぁ、行ってねぇよ。」

その言葉を聞いた遼が、ニヤリと笑った。…そして、口を開いたかと思えば

「今週集会ねぇから、大智行ってくれば?」

と、満面の笑みで、言った。

「俺は別にいいけど。」

大ちゃんも、行くのに抵抗はないみたいだから、日曜日に来ることが決まってしまった。


というわけで、今に至る。

手を繋いで歩いているが、大ちゃんからは緊張が感じられない。

雰囲気からか、あたしも落ち着いてきている。


「ねぇ、遼に何て言われたの?」

「何も言われてねぇけど、起きたらこれ以外服がなかった。」

服がなかった!?

さすが遼。

その辺の人とじゃ、やることのレベルが違う。


「凄いね…」

「無駄に頑張ってんだろ。」

「うん。それにその服しか残さないって、遊んでるでしょ」

もっと普通の服を残してあげれば良かったのに。金髪だからホストにしか見えない。