「わーーっ」って叫びながら逃げていく小学生。

水風船は俺と槙の顔面にクリーンヒット。


「…っ……クソガキ…」

そう言った瞬間、チビッコの顔が強張っていく。

「おいっ、待てーーっ!」

キャーキャー言いながら逃げ回る小学生を、俺が追いかけ回す。


「わーっ!こっちに来たぞ!」

「助けてー!」


「捕まえた…っ」

1番後ろを走っていた女の子を捕まえた。

「わっ…!」

「はい、お遊びはおしまい。こっち向きなさい。」

女の子が捕まったことを知って、引き返してくる男の子2人。

「ちーを離せ!不良め!」

「ちー?」

あぁ、この子「ちー」って呼ばれてんのか。


「ってかさー、お前らが悪いんだぞ? 見て、俺の顔。ビショビショ。」

「ごめんなさい…」

俺が捕まえてる女の子がショボンとした顔で謝った。


「ちーは偉いね、素直な子は可愛いからモテるぞー」

笑って頭を撫でてやると、嬉しそうな顔をして抱きついてきた。

「名前は?なんて言うの?」