「あーあ、可愛い顔が…」

風磨は病室に入ったあたしの顔を見るなり、呆れた顔をした。

「…殴られたのか?」

「うん、でも大丈夫だよ。消毒してもらったしっ」

「女の子なんだからよー、顔は守んなきゃ。」

「はーい…」

風磨と話していると、説教されていたみんなも戻ってきた。


「俺はっ、大智が美憂襲ってんじゃねぇかって、心配して走ってきたんですー!」

「んなことするかっ!」

「しないって言い切れんのか? 俺だったら襲ってるとこだぜ!」

いやいや、自慢すんなよー。


「遼、話ずれてる。つーか、一旦落ち着いて座れ。」

「あー…疲れた。」

手で顔を扇ぎながら、ベッドに倒れ込んだ遼。

龍泉は槙がいなきゃダメだ。

大ちゃんと遼が言い合いを始めたら、槙が止めなきゃ終わんないし…


「あ、そういえばさ、神岡いつ退院?」

風磨が大ちゃんに問う。

「さぁ。まぁ俺はいつでも退院できる状態だし。」

「まだ早いだろ」

「最低でも2日か3日はかかるんじゃない?
刺されたんだし。」

柚ちゃんが冷静にそう言った。

2日か3日か…

だったら学校始まるまでには間に合いそう。


「学校何日から?」

「えーっとね、確か7日だったかな。」

「余裕で間に合うな。」

「安静にしてないとまた傷口開くかもよ?」

「そん時はそん時だろ。」

さすが大ちゃん。

すごい精神力…