「みーゆーうー!」
「うわっ…!」
病室に入った瞬間、遼があたしに飛びついてくる。
「り、遼…っ…苦しい…!」
「んー……」
抱き締めた手を緩めない遼。
そんなに心配してくれてたんだなぁ…
「もー…可愛いなぁ、遼は…」
「美憂の方が可愛いよ。」
パッと顔を上げて、口を膨らませた。
本気でその辺と女の子より可愛い気がする…
「ふふっ、ありがと。」
「っねぇ…チューしていい?」
………チュー?
ネズミ?
遼の顔があとわずか5センチってくらい近くにある。くっついちゃいそう。
もう少しで唇が触れそうなとき…
「殴るぞ。」
あたしの後ろからドスの効いた低い声が聞こえた。これは怒ってる声だ。
「うっわ…すっげぇ良いとこだったのに…」
「大ちゃんっ!」
「遼、俺らはちょっと出掛けるか。」
「えー、ヤダヤダ。何が悲しくて槙とデートしなきゃなんねぇんだよ。」
「…………強制な。」
遼の腕を無理矢理引っ張りながら、歩いていく。
「はーなーせー!こいつら2人にしたらイチャイチャすんじゃねぇかぁ!」
「付き合ってんだから当たり前。俺らは邪魔者なんだよ。」
―バタン…



