渡された体温計を素直に受け取って、熱を計り始める。
「桜井さんがね、あなたの着替えをとりに行ってるの。」
「え……あたし入院するんですか!?」
「当たり前でしょ、もう少し遅かったら肺炎になってたかもしれないんだから…」
は、肺炎……
「クリスマスまでには退院ますか…?」
「熱が下がったら、ね。」
クリスマスを病院で過ごすなんて絶対にイヤ!
―ピピピピピ…
「あ…」
「何度だった?」
「…………38度9ですね…」
「は!?」
横に大人しく座ってた大ちゃんが声をあげた。
「そんなにあったのかよ!」
「んー…でも朝よりは下がってるはずだよ? 少しだけ楽になったから…」
朝起きた時の方が辛かったし…
「有り得ねぇ、マジかよ…」
「これくらいなきゃ倒れたりしないよー…」
「クリスマスまで入院って可能性もあるかもしれないですね…」
「えっ、うそ!」
ヤダヤダヤダヤダ!
絶対治すんだからっ!



