「…精神的には大ちゃんが上だもんね…?」
「…まぁ、少しだけな。でもっ、身長は大智も結構…」
「……あたしより高いからいいのっ」
「えー。俺も身長伸びたと思わねぇ?」
「そういえば、ちょっと伸びたかも…」
前まで目線はほとんど同じくらいだったはず。
確かに初めて会ったときに比べると、少し見上げてるかも。
「だろだろっ、でも大智は越えらんねぇな。」
「何で?」
「あいつちょっとずつ成長してんの。元々親父さんも結構ガッシリしてるし」
「そっかー…、まぁ頑張ってよ。」
「おう…って何を頑張るんだよ?」
「…んー…牛乳いっぱい飲んだり?」
「あ、うん。頑張るー(笑)」
「棒読み(笑)」
―ウィーン…
遼と笑い合っていると、手術中のランプが消え、扉が開いた。
「大ちゃんっ!」
「大智!」
運ばれてくる担架に近寄り、大ちゃんの手を握った。
「大丈夫ですよ、出血量が多かったので、危険でしたが、一命は取り留めました。
あと5分遅ければ助からなかったでしょう…」
そんな危なかったんだ…
「良かった…っ」
安心して、足の力が抜けていく。
へなへなと座り込んでしまった。