「死んだら許さないんだからね!!」

「バーカ…」

あたしの手を弱々しく握ると、寄りかかってきた。そのまま、受け止める。


「ざけんなよ!!」

遼はまだ真白を殴り続けている。

止まる気配がない。

「遼っ、やめろって…!」

槙が暴走した遼を止めようとしている。

「離せっ…!」

「こんなやつ殴る価値なんてねぇよ!」

槙が怒鳴ると、遼の動きがピタリと止まった。

遼の顔はほんとに悔しそうで。血が出るんじゃないかってくらい、手を握りしめていた。


ようやく騒ぎに気付いた、周りにいた人達が、警察に連絡をし始めた。

真白は放心状態で、動かない。

「大丈夫ですか…?」

何人かの女の子が、ハンカチを貸してくれた。


「ありがとうございます…っ」

傷口をそっと押さえると、すぐにハンカチは真っ赤に染まった。

怖くなって、涙が溢れる。

大ちゃんの手を握る力を強くして、ひたすら祈るしかなかった。