1人で大ちゃんを待ちながら、思い出し笑いをしていたときだった。

「み・ゆ・うーーっ、あけましておめでとう!」

夜中とは思えないくらい元気な遼が走ってきて、効果音がつくくらい、ギューッとあたしを抱き締めた。

「美憂、今年もよろしくな。」

槙はあたしの頭を撫でながら、よろしく、と言う。

遼とは違ってやっぱり大人だね。

「もー、遼くるしいよー」

「はなさなーい!」

遼ってば、ほんとにその辺にいる小学生みたいにはしゃいでる。子供っぽいっていうか、無邪気っていうか。


――あれ…?

いつもなら、遼がこんなことしてたら大ちゃんすぐに怒るのに…


何で怒らないんだろう。

そう思って、大ちゃんがいた方向を見る。



「く…っ……はっ……」


―カランカラン…


「大ちゃん……?」

あたしたちから少し遠くにいた大ちゃんが、何故かお腹を押さえている。


近くには―


赤く染まったナイフ。