「美憂?」

マンションの前にある、腰ぐらいまでの高さの花壇に人影。

「大ちゃんっ」

駆け寄ると、少し驚いた顔をした大ちゃん。

「上着は」

「忘れてきた…」

そう言うと、無言で、自分の着ていた上着を貸してくれた。


「大ちゃん寒くない?大丈夫?」

「大丈夫。 で、お前何しに外出てきたんだよ。」

そう言われたので、手に持っていたプレゼントを差し出した。

「メリークリスマス!」

「クリスマスプレゼント?」

「そうだよっ、早く開けて?」

気に入ってもらえるか不安で、昨日もずっと悩んでいた。


「へぇ、いいじゃん。」

あたしの選んだネックレスを手にとって、あたしに差し出した。

「気に入った。つけて。」

「えっ、あ、あたしがっ?」

「おう。ほら、早く。」

そう言って急かされたので、仕方なく受け取って、つけ始めた。

手がかじかんで上手くつかない…