―ギュッ…

「ん………」

手の違和感を感じて、閉じていた目を開ける。


「あれ……あたし何で…」

どうやら寝てしまっていたみたいだ。

ケーキを食べたくらいから記憶がない。


「いったー……」

ついでに、頭もズキズキする。

……それもそのはず。

あたしの目の前には大量のお酒の空き缶が散らばっている。

そして、手の違和感の正体は遼だった。

ギュッと、あたしの手を握ったまま眠ってる。

その手を見たときに、ちょうど時計が目にはいった。


【0:15】


思いっきり夜中。

にも関わらず、周りを見渡すと大ちゃんがいない。

窓から外を見ると、昼間に比べて雪が弱まっていた。

「あっ、クリスマスプレゼント…」

大ちゃんへのプレゼントを渡してないことに気づき、上着も着ないまま外へ出た。


―コツ…コツ…


外へ出てから、上着を着なかったことを後悔する。

大ちゃんいなかったら、すぐに戻ろ…

「大ちゃーん……?」