「そりゃあ、良かった。」

嬉しそうな顔をして、あたしの涙を指で拭った。

「あのね、大ちゃん…」

一昨日くらいに分かったことを、大ちゃんに伝えなければならない。

「ん?」

「一昨日くらいに柚ちゃんと病院に行ったの。」

大ちゃんの顔が険しくなった。

黙って聞いてくれる大ちゃんの目を見て、話を続ける。


「そしたらね、赤ちゃん出来てるってっ」

「…………え?」

一昨日、柚ちゃんと一緒に行った産婦人科で、赤ちゃんが出来てるってことを聞かされた。

「妊娠10週目だって。だから、結婚する前から出来てたみたいなんだよね。」

「マジで…?」

驚いた顔をして、あたしを見る大ちゃんに頷いた。

「…そっか。元気な子産めよ、美憂。」

そう言いながら、あたしを優しく抱きしめる。

「うんっ」

妊娠したことと、もう1つ言わなければならないことがあった。


「大ちゃん。」

「何だよ?」

大ちゃんに抱きついたまま、話を続ける。

「赤ちゃんね、双子なんだよ。」