2人が、店を出ていくところを、大ちゃんと一緒にボーっと見てた。

「じゃ、行ってくるわ。」

こっちを向いて、手を振って出ていく遼。

「あ、行ってらっしゃいっ」


―カランカラン…

2人になった途端に、店内の物音が全くしなくなった。

でも、気まずいだなんて思わなくて、この空気が心地いい。


「なぁ……」

そんな沈黙を破ったのは、大ちゃんのほうだった。

「何…?」

「これから先、何十年経っても、俺はお前から離れないから。」

窓の外を見つめながら言った。


そのまま話を続ける大ちゃん。


「俺と結婚したこと、絶対に後悔させない。…ずっと幸せに暮らせるように、頑張るから。」

涙が溢れて、頬を伝う。

いつもはこんなこと言わない大ちゃんが、顔を赤くして言ってくれた。


「だから………お前は俺だけを見てろ。」


こっちを見て、あたしの頭をポンポンと軽く叩くと、優しく笑った。

「これから先、ずーっと…大ちゃん以外好きにならないもんっ」