「……………食ったな。」
それを聞いた遼には、あたしが食べたと分かったらしい。
分かるに決まってるか。
「……食べました。」
正直に言うしかない。
と、いうことで、とりあえず、あたしのイチゴを遼のケーキの上にのせてみた。
「いいよ、美憂も甘いもの好きだろ? 俺いらないから。」
「…だったら女の子あげるよ。」
こうして話している中、みんなはいつの間にかケーキを食べ始めていた。
「それはもっと遠慮しとく」
「だったらイチゴ食べてよっ」
遼の口の前まで、強制的にイチゴを持っていった。
「……ありがとうございます。」
諦めたのか、素直に口を開けた遼にイチゴを食べさせた。
「うまっ!」
体がいくら成長しても、可愛い笑顔はずっと健在だった。