「電気つけねぇのかよ。」

遼を先頭に、真っ暗な廊下をゆっくり歩いていく。

「うん、まだつけねぇよ。」

そう言って、ドアを開けてリビングに入っていく。

物にぶつからないように、大ちゃんにくっついたまま歩いていた。

「はい、ここに座って。」

言われたとおりに、素直にその場に座ると、何だか甘い香りがする。


「大智、美憂。」

声のする方を見るが、真っ暗だから何も見えない。

「遼?」


「俺らからの結婚祝い!」

そんな声が聞こえたと思えば、急に明るくなった視界。

光に慣れてなかったから、すぐに目を閉じてしまった。

ゆっくり目を開けると、思わず目をパチパチしてしまった。


「何これっ!」