――――――
―――――――…


「美憂ー!着いたよっ」

その声で、ハッと目が覚めた。

「わっ…ごめん、大ちゃん…」

どうやら、大ちゃんに寄りかかって寝ていたみたいだ。

教会から家が遠かったこともあって、途中からウトウトしていたのを覚えている。


「俺も寝てたから。」

「良かった…」

「ほーら、2人共降りるよ。」

柚ちゃんが声をかけてきたので、車から降りた。

「何かするの?」

「ちょっとね。」

柚ちゃんが嬉しそうな顔で、あたしの腕を引いていく。

少し向こうの方では、遼が大ちゃんの腕を引っ張っていた。

凄く楽しそうな顔で。

「大智、鍵!」

「ん…」

さっきまで寝ていたもんだから、大ちゃんは眉間にしわを寄せている。

怒ってるように見えるけど、そうではない。

起きてすぐはいつもこんな顔だから。


―ガチャ…