「大智の好きな子って聞いて、初めは見かけるたびに興味本位で見てた。」

えー…っと……?

あたしどうしたらいいんだろ?

どうすることも出来ないよね。

とりあえず話をきちんと聞こう。


「でも、いつの間にか興味本位とかじゃなく、話してみたい…って、そんなこと思うようになっちゃってさ……」

そう言う遼の顔は悲しげで、見ているこっちが悲しくなった。

それでも、あたしから目を離そうとはしない。


「気付いたらもう好きになってた。」

再び遼の頬を、涙が伝った。


「転校初日に話した時も……俺すっげぇ嬉しくてっ……大智の応援してる余裕なくなってさ…」

「遼……」

何て言ったらいいのか分からなくて、立ち尽くしたままだった。

そんな気持ちに気付いたことは、一度もなかった。

あたしの無神経な態度が遼を傷つけていたなら、あたしは本当に嫌な女だ。


「……んな顔すんなよ…」

無理矢理笑って、あたしの頭をポンポンと軽くたたいた。

「そんな顔で笑わないでよ…」

思わず本音が出てしまう。