そんな中、遼がちょっとだけ不機嫌な顔で歩いてきた。

「美憂…」

あれ、さっきまでの異常なテンションはどこへいった?

「どうしたの?」

そう聞くと、悲しそうな目をした。

涙がどんどん溜まっていく。

「ちょっ、何、どうしたのっ?」

「認めたくないっ」

子供のように涙をポタポタ零しながら、小さな声を発する。

幸い、あたしと柚ちゃんしか遼を見てかった。


「何を……?」

「結婚に決まってんだろぉっ……俺も美憂大好きなのにー!」

え……?

何、その親が言うような発言。

いつからあなたはあたしの親になったの?


「あたしも遼大好きだよ?」

これは本当だし。

もちろん、友達として…だけど。

…大切な人って言っても過言ではない。


「ちっがーうっ!」

遼がいきなり叫んだから、ビクリとするけど、目に溜まった涙を見ると何だか笑えてきた。