愛詩-アイウタ-

 光璃は何かを思いだしたのか、ポンと手を叩いた。



「ゆみ!バイトの面接!」


「あぁ、そうだぁ。思ったんだけどさ、何人とれるか店長に電話した方がいいよね?」


「じゃあ、ゆみよろしく!」


「了解」


 携帯のストラップを器用にくるくる回しながら、道のはじに行く。


 3人のいるところにも声が届く範囲だ。



「あっ、まいちゃん?…ゆみです。店長いますか?うそ、いない?え~と…じゃあさ、これから何人バイト人数とれるか確認してくれない?あぁ、お願い」


 【まい】という人がバイトの紙を確認しに行っているようだ。


 ゆみは携帯を耳から離さない。待ち歌を楽しんでいる様子だ。


 少し経ってゆみがびくっとした。電話先の相手が出たのだ。



「まいちゃん?ごめんね~どうだった?」



 ゆみの顔が一瞬曇る。



「ひとり?そっかぁ~ありがとう。え?実はあと3人とってもらいたかったんだよね~」